庭に花が少なくなる季節。そんな時、このツワブキが花を咲かせ始める。黄色っぽい花は実はあんまり好きではないんだけど。
でもツワブキはいざとなったらきゃらぶきにして食べれるし(いざってなんだ?何が起こるんだ?)、侮ってはいけない植物なのです。
花よりも、このつやつやした、まぁるい葉っぱが好き。
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さて、今日の本は乾くるみの「蒼林堂古書店へようこそ 」です。
内容紹介
書評家の林雅賀が店長の蒼林堂古書店は、ミステリファンのパラダイス。バツイチの大村龍雄、高校生の柴田五葉、小学校教師の茅原しのぶ―いつもの面々が日曜になるとこの店にやってきて、ささやかな謎解きを楽しんでいく。かたわらには珈琲と猫、至福の十四か月が過ぎたとき…。乾くるみがかつてなく優しい筆致で描くピュアハート・ミステリ。
※「BOOK」データベースより
私は特にミステリーファンではないせいも
あるのだろうけれど、かなり退屈、というか、
後半は苦痛に感じるくらいつまらなかった。
なので、ちょっと愚痴ります。
乾くるみファンの方は読まない方が良いかも、です。
乾くるみ作品は、以前、書店で見かけた
『イニシエーション・ラブ』の紹介文、
“最後から二行目で、本書は全く違った物語に変貌する。”
という文句に騙されて(笑)読んだことがある。
イニシエーション~は、そのあまりのつまらなさに、
私が怒りを覚えた数少ない小説だった。
叙述トリック的な小説と言えなくもないんだろうけれど、
「だからなんなの?」と言いたくなるオチと、
ストーリ自体のあまりののつまらなさ、
そして、「どう、びっくりした?」
と言いたいだけで書いたとしか思えない
中身のなさに、こんなの小説じゃない!
とかなり腹立だしい思いをした。
正直、ラスト2行にもちっとも驚かなかった、
というか、これで驚かそうとしていた、
という事実に逆にびっくりしたくらいだ。
そんなことは後半が始まってすぐに
気付いていたので、最後は全然ちがった
何かが待っているのだと思っていた。
それだけを楽しみに、退屈な内容を
我慢して読んだというのに、
と、最後まで報われない思いをした。
と、『イニシエーション・ラブ』の文句を書いている場合じゃない。
今日の本は『蒼林堂古書店へようこそ 』だった(笑)。
ここまで腹を立てておいて、
なぜまた同じ作者の作品を読もうと思ったのか、
というと、本作は私の好きな「日常の謎系」、
そして、本屋さんが舞台+本の紹介がされている
こともあり、ちょっと面白いかも、と思ったのだ。
乾くるみ、雪辱なるか?
という期待をかけたというのも実はある。
結果は、というと...
先にも述べたように、私はそれほどミステリー好きではない。
特に本格ミステリーと呼ばれるようなもの、
殺人事件ものにはあまり興味がない。
だから、根本的に本のチョイスを
間違っている、と言われればそれまでかもしれない。
でも正直、ここに出てくる小さな謎は、
全て謎解きのために無理矢理作ったものばかりで、
まずは謎ありきで、そこには
小説としての面白さが存在しない。
これならなぞなぞ本やクイズ本を読んでいるのと
変わらない、というか、それならいっそ
人物紹介のような余計な文字がない分、
クイズ本を読んでる方が無駄がない。
謎自体も、その謎解きも、こじ付けっぽいものが
目につくし、解けたとしても、「だから何?」
と、なんだか腑に落ちない。
ミステリー一番の魅力の、
「ああ、そういうことか!」という
すっきり感が全く味わえないというのは
いかがなものか?
そしてもう一つ、この小説の大事な要素は
ミステリーの紹介なのだけれど、
これも、なんだか単なるミステリ作品の
うんちくの羅列でしかないように感じた。
私好みの作品が少なかったのかもしれないけれど、
沢山の本が紹介されているにもかかわらず、
読んでみたい、と思わせるものが
あまりに少ないのも驚きだった。
私があまり詳しくないミステリー作品を
紹介してくれることを期待していたのに、
その期待も裏切られてしまった。
悶々と不満を抱えつつ、それでも我慢して
最後まで読んだのは、「ラストが良い」という
評判を聞いたからなんだけれど、
なにしろ『イニシエーション・ラブ』の前例があるので、
あまり期待はしていなかった。
期待していなかったにもかかわらず、
そのあまりのつまらなさ、説得力のない
無理矢理な「謎作り」に、
ああ、やっぱり私には乾くるみ作品は合わない、
と確信してしまった。
もちろん好みの問題もあるとは思う。
でも、ミステリーやトリックの出来以前に、
小説としての魅力や面白さが
決定的に欠けているように思うのは
私だけなのかな?
蒼林堂古書店へようこそ
乾 くるみ
★☆☆☆☆
単行本:349ページ
徳間書店 (2010/5/7)
¥660
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