朝顔といえば夏の花、というイメージなんだけど、家の近所の朝顔は未だに元気に咲いている。最近は色んな品種があるのか?
そういえば朝顔って小学校の時に栽培した記憶があるけど、確か一年草だったように記憶している。でもこの朝顔は毎年咲いているなあ... やっぱり色んな品種があるってことか。
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さて、今日は、最っ高に楽しくてはっちゃけた、狸と天狗と人間のお話。
森見さんの手にかかると、古都、京都の街がワンダーランドと化します。
私も狸になりたい!
内容紹介
糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、
あっけなくこの世を去ってしまった。遺されたのは母と頼りない四兄弟。
長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、次兄・矢二郎は蛙になって
井戸暮らし。三男・矢三郎は面白主義がいきすぎて周囲を困らせ、末弟・
矢四郎は化けてもつい尻尾を出す未熟者。この四兄弟が一族の誇りを
取り戻すべく、ある時は「腐れ大学生」ある時は「虎」に化けて京都の
街を駆け回るも、そこにはいつも邪魔者が!かねてより犬猿の仲の狸、
宿敵・夷川家の阿呆兄弟・金閣&銀閣、人間に恋をして能力を奪われ落ち
ぶれた天狗・赤玉先生、天狗を袖にし空を自在に飛び回る美女・弁天―。
狸と天狗と人間が入り乱れて巻き起こす三つ巴の化かし合いが今日も始
まった。
※「BOOK」データベースより
偉大な父と、その偉大な血を受け継ぎそこねた、ちょっと無念な4兄弟、そして肝っ玉母さんの狸一家と、それを取り巻く天狗と人間が起こす大騒動。
狸が主役の話と聞いて(???)と思っていたのだけれど、ただの狸じゃございません。平安遷都の昔から、時に人に化け、時に地面を這い、人間と天狗と三つ巴で、我らが「人間の歴史」と信じている歴史を築いてきたのいうのだから。知らぬは我々人間ばかり、ということらしい。
なにより登場人物ならぬ登場狸物が、みなユニークで可愛くて、敵役も含めて愛さずにはいられない。ちんたらストーリーの説明するより、登場狸物の紹介をした方がいいと思う(ので、勝手に紹介させていただきます)。
総一郎:偉大なる父であり、偽右衛門(狸界のリーダーらしい)であったが、四男が生まれてすぐに、狸鍋にされてこの世を去った。
母:タカラヅカ好きで「黒服の王子」(自ら命名)と呼ばれるタカラジェンヌばりの美青年に化ける。息子達を愛する肝っ玉母さんだが、雷が苦手。
矢一郎:父の跡を継ぎ、次期偽右衛門の座を目指す長男。生真面目であるが土壇場に弱い。
矢二郎:洛中一のやる気のない狸。父と共に酒を飲んで偽叡電に化けては夜の街を疾走していたが、父の死後、狸をやめて蛙となり、六道珍皇寺の井戸に引きこもる。
矢三郎:三男。本書の主人(狸)公。高杉晋作ばりのオモシロ主義者。化けることが得意で、ころころと姿を変える。
矢四朗:狸なのに化けるのが下手で、何かあると文字通りすぐに「尻尾を出す」。あまり役には立たないが、皆から愛される可愛い末っ子狸。
この愛すべき家族に赤玉ポートワインと美女、弁天をこよなく愛する偏屈天狗の赤玉先生こと如意ヶ嶽薬師坊、敵役の夷川家の兄弟金閣・銀閣に、その妹で決して姿を見せず罵声を浴びせる(でも何かと下鴨4兄弟を助ける)矢三郎の元許嫁の海星。そして人間であり半天狗の美女で、矢三郎の初恋の相手、弁天。京都の秘密結社「金曜倶楽部」の面々。濃いキャラが溢れて阿呆爆裂の大騒ぎである。読んでいて楽しくて、でも家族愛にすこししんみりさせられたりと、とにかく退屈しない。
ストーリーは、父、総一郎の死と、その後がまとなる偽右衛門の座を巡る下鴨家と夷川家の争い(?)がメインとなるのだけれど、正直それより、それを取り巻く各キャラクタ―達の言動が面白い。
父を狸鍋にして食べてしまった「金曜倶楽部」のメンバーと酒盛りの上、大いに盛り上がり、複雑な心境ながらも、
「これも阿呆の血のしからしむるところだ」
という矢三郎。
このあたりの、狸を愛する教授が、その可愛い狸を食うことについてのやりとりがなんだか私は好きだ。
「.....かわゆきものたちを我々は喰うんだ。哀しいけれども、じつに旨い。
ここらへんはおおいなる矛盾だな。すなわち愛だ。よくわからんが、
たぶん愛だね。これが愛だね」
とか言いつつも、自分が可愛がっていた狸を食べれるのか、と聞かれると「分からない」という教授。確かにいくら理屈をこねたって、人間ってそんなもんだと思う。
狸のくせに「人間が狸を喰うのは間違ってはいない」と悟ったようなことを言いつつも、父を思って涙し、家族が鍋にされそうになると、一致団結して底力を見せる4兄弟。そう、一匹一匹は阿呆でも、兄弟力を合わせると無敵なのである。
とにもかくにもハチャメチャで楽しい「有頂天家族」。
まさに「面白きことはよきことなり!」なのである。
追記:第二部も既に始まっているようですね。今から楽しみです!
有頂天家族
森見登美彦
★★★★★
単行本:357ページ
幻冬舎 (2007/9/25)
¥1,575
文庫:423ページ
幻冬舎 (2010/8/5)
¥720
関連サイト
森見登美彦公式ブログ 「この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ」
http://d.hatena.ne.jp/Tomio/
作家の読書道 第65回:森見 登美彦さん
http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi65.html
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